2017春イトウ

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イトウと岩魚2足のわらじ

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年明けの2017年、そろそろ春を目前にしたある日のこと現地は敬一さんから一報が入った。今年は雪が少ないよ!降雪量、雪が少ないから川が開けかかってるよと・・・

1998-2008-2009年と重なるくらい降雪、残雪が少ないなら透明度に期待がもてそうだ?ったところ、それから36日間後までの期間一桁気温が連日続いたのを毎日、天気予報で確認していた通りの結果、今年も特別なにも変わる事なくいつものように産卵は始まり終わった。

あ〜・・・。今年から時代も戦後71年という月日が経ち日本が科学における技術力、とりわけカメラにおいては日本のメーカーは常に世界をリードしている先端にあるから、頑なにデジタルを否定するばかりじゃなく、そろそろデジタル機器を使ってみようかと今回はコンパクトデジカメを試してみた。シャッターを押して数秒後には直に映像を確認できる便利さは非常に有り難く実感できる反面、現実的に身近にあるデジタルデータはどうかとなれば15年前に記録したpcの外付けハードディスクに記録したものは随分と前に読み込みが出来ずデータは消失し、更に7年前に入れ替えた2台目のハードディスクも去年に壊れ復旧できずにいる。やっぱりあのメーカーB.Lはダメだがそもそもデジタル自体、歴史に残すことは無理なようだ。なので今回の画像はデジタルなので何れは消滅する映像です。悲しくも果敢ないデジタル・・・そもそも写真とは”残す”が目的なので15年という時間の流れは残すに値しない価値であることを皆さんは判らないといけません・・・手頃で便利である短命でちゃらいデジタル、アナログ?であるフィルムは100年以上先の未来まで歴史を後世に残すことができる価値。皆さんは歴史から学ぶのか、それとも近年の経験から学ぶかは皆さん次第ですよね?先祖、家族、身内で記録したデジタルデータはまだ見れますか・・・

札幌から現地入りした当日、ちょうど今、産卵域へと遡上しているはずの領域である川面を覗きこむと盛んに雪代に乗って遡る婚姻色に染まる雄と薄ピンク色の雌とのペアなる姿を3ペア確認できた時点で安心した。23年間、毎年、同じ光景を観察してきた変わりない自然の摂理なる世界を繰り返しここで再現される営みはドラマチックで何度見ても新鮮なものだと自分の気持ちを毎回、再確認できるシーンであるものの、自分が見てきた状況が常に同じだとは限らない!ここ一帯は人間が密集する都会ではない空間、空気が清く雑音や邪念、もちろんカネの影響が及ばない領域で、ここへ到着した初日から翌日までの2日間はこれまたいつも通りに春開幕の陽気の解放感に誘われ飲んだくれてました。春は一年で一番良い季節ですからね・・・

2011年3月に他界されたイトウの研究者の第一人者である山代昭三さん。ちょうど"3.11"東日本での件と重なった為、ここでは取り上げませんでしたが産卵期のキーワードである’雪解け増水が治まる頃’という一文を次の世代に残された”金型”であった歴史の残る人物。最近よく耳にする人工知能、AI、VR、ヒューマノイドロボットといった生身の人間に代るサービスや仕事といった労働力が不必要になり少数で社会システムが賄える時代が着々と進行し戸惑っている時代が今なのです。戦争の歴史を振り返っても解って見えるのは物量と兵力=人力、物と民の命の数で指導者=支配者は将棋を指してきた進化の発展を科学力に置き換えて図るまでになったのが現代ですが、金型が人間である以上、人工的な知能や物は人を超えることはありません・・・因みにイトウは砂防やダム、落作工物といった極端な落差さえ人工的に造らなければ、そこで世代交代していくことができます。人災を含めた環境の変化と一括りにしても、これらを特定した以外の問題で種の存亡を危惧する原因は見当たりません・・・

20年前の自分だったら降雪量が少ないと聞いただけで浮き足立って現地へ飛んで来ていたことだろう。でもここで学んだ歴史が自分にはある。どう述べればいいか例えればキャリアかな?スキル?これはカネでは解決できない?カネに生涯、人生を振り回される者はデジタルと同様に自分が何のために生まれ何を残すかさえ見出せずに消えていくのでしょうね?私たち99%の庶民=羊たちはそもそも実験に用いられる捨て駒でしょうね・・・