イトウ2021

イトウと岩魚2足のわらじ

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母川回帰???

一年ぶりでしょうか?なほど滞った更新作業になりお久ぶりです。いつものことなんですが、ここで取り上げる地名、月日などは出来るだけ伏せ、特定の方達が分かる内容となっていますのでご理解願います。今年もイトウ産卵シーズン行ってまいりました。1994~2003年までの間は通称”一大支流”という場で時間を使い2003~日本海側河川と本拠地の本支流と周辺河川に焦点を置いて07年まで画角を広め現在に至る南側と北側にある水系を拠点にしています。

まず母川回帰については皆さんもご存知の通り外洋で育ったものが自分の生まれた川へ戻ってくるというもの・・・この辺については12年前、知り合いの地元漁業者がよく嘆いていたのは春の鱒、秋の鮭漁による定置網、岸から180~200m付近の所謂、汽水域で万丈篭?のサイズは不明として一回で20~多い時で60匹ほど網に入り殺処分しているという話を本人から聞いていました。その方には会う都度、お願いだから殺さず逃がしてあげてくださいと言い続け8年ほど前からでしょうか、何回?逃がしても何度も何度も網に入ると嘆いたいた通りイトウの親魚が普段生活している場は海という広い範囲ではなくごく狭い汽水域が主な生活の場となっている為、これについては”母川回帰説”当てはまらないこと・・・

一大支流から離れ周辺外周域を歩き写真を撮っているうちに不思議な現象が度々見られ、産卵は”雪解け増水に左右されない”これは一大支流は当然のことながら他では違うことに気が付います。まず一つの領域に3桁もの数が遡上し産卵する数は尋常ではないんです。本流で3桁は2度ほどしか確認してませんし他の支流を含めても数は0~20前後までとバラつきがあることで、実際これまで観察してきたなかで基本産卵開始日を軸に7日前から始まったことは確認していません。生理的な問題があるので単に水位水温の条件だけで産卵が開始されることは考えられません。この数を明確に述べられる状況として産卵域の水深、川幅にしても山頂から200m離れた所からも目視でき、流れに逆らい遡上する音、堀を作る喧嘩する水飛沫は派手なもので特別な機器をしようするまでもなく見て聞くことで知ることができます。この状況からしても汽水域で普段、親魚が生活している6割か?状況によってはもっと多くのものが一大支流へと一斉に向かっているようです。

よくダム湖に取り残されその後イトウが増えた、現在も人為的な施しがあるにしても生息している場の過去の地形図を見ても雰囲気が伝わってきます。基本的にイトウと岩魚は外洋には出ず汽水域から干満の動きがある下流付近から繁殖では上流域を使う生活様式であることに再度振り返ることになります。

まずイトウの産卵で主導権をもっているのは明らかに”雌”ですから、雄が何処で生まれようともメスを追っていきます。俺はおれの道を行く?と単独で産まれた場へ向かう雄がどれだけいるかは?さておき、安定した数、それも3桁もの個体が殺到する”一大支流一帯”は必要不可欠で特別な場であるのは明らかでサケや鱒にも関連する問題があるのではないかと?・・・

そもそも繁殖するという行為自体、体外から卵を産み付け生存率を上げる事が本能にプログラムされているとすれば、そういった環境を壊してしまう問題に焦点が向けられるか?しかし、世の中は利権、権限、権力を持った者たちが、どうやっても木は切る!道路やトンネル、ダムは造り続ける・・・

これまでの産卵観察行事は20代から40まではガツガツとドライスーツを着て重たいカメラを持ち歩き回りましたが最近はちょっと元気が・・・北海道で春が芽生える力というか勢いは強いもので山間では気温は毎年のこと下は-5℃で上は+5~高くとも14℃・・・ついつい春の陽気に誘われる初日、到着後は早々一人、一杯ですむか?を朝から飲んでしまいます・・・今年もそうですが人目を避けた場でイトウを待っていたので残念ながら今回も来てくれたイトウは3匹でした。ここが一番良かったのが2007年、その後ピークは2012年を境にここにやってくる数が不安定になってきています・・・