東の果ての秘境07-P4

イトウと岩魚2足のわらじ

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河口を埋め尽くすカラフトMの背ビレを見ると、とっさに竿を握り振り込んでしまう。今、手にしている竿はイトウ専用のもので、しばらくぶりに使うことができた。

早朝5時ごろになると、町から観光船に乗ってやってくる釣り人、入れ替わり立ち代りと数隻がポイントに来てはカラフトを狙うが、これまでと比べると2〜3隻と抑えられているのか幾分少なく感じられた。釣りというよりは大半が引っ掛け状態で掛かってくるほど無数の群れが定置網に掛かりきながらも、網目を潜り抜け続々と河口に集まってくる。

正直なところ捌くのが大変なので釣ることだけで満足したい。でも、せっかくここまで来たのだから、せめて一匹だけでも美味しく頂くとしようか。メスの卵はイクラ丼にし、脂が乗った美味い雄の身は石狩汁の具として使い、そのまま網で焼きご飯といっしょに口にするだけで十分に味わえる。

ベースキャンプはこんな感じです。後ろに見える番屋廃屋の稜線から羆が降りてきた。初日の晩は、気分は戦争状態!そんなことも気にせず熟睡するのはA氏だった。

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