産卵・回帰録2007

イトウと岩魚2足のわらじ

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回帰録2007−2

今年の対象河川も2支庁、3水系7支流16細部、その中2本は、地図上に水線の無い平水時では殆ど水が流れていない箇所も新たに追加し、延べ2週間で巡った。確認できたイトウの雌雄合わせ124個体、その内ペア28組。決して多くはない数字だろう。02年以降、状況は良いとは言えない。

そして、写真を満足に撮るには、一箇所に4日間張り付けば瞬間を収める運も生まれるが、未知の領域、細たる静脈に回帰する各々を見つけたい欲求は年々膨らみ、とにかく気になって仕方がない。その継続性は、実績から積み重ねる再現性を確める欠かせない巡業になる。

これまで通り、地名は一切、明かさない。何度も言うに主役はイトウのみ!その地域を活性させる為の売り、これに必要以上、負荷をかけるような売りは絶対してはいけないし、金にもならない、そうしてはいけない。何故なら自分の意思のみで継続して観察をしている私にだからこそ言える現実を訴えるもので、なにせ、これを仕事にしようとすると割に合わなく、賢く安直にデータを得ようとしても正確なデータを得ること、壊れるシグナルを読み取ることは出来ない・・・

それから、行脚の途中、閑散な森に長く浸る孤独感からの開放、水源を目指す長〜い距離を場所によっては3度も往復する薮漕ぎの疲れを癒してくれたのは聖地、地元っ子である猟友会の部会長でもあり鳥獣保護員を務める敬一さんを筆頭に、その仲間達は漁師さんなど、多くの方たちに大変お世話になった。それと、近年、なかなか共にする機会が無くなってきている友人A氏と2年振りに再会し、一日だけだったが、2人で潜り堀を起こすペアに近寄り並んでシャッターを押せたのは幸いだった。皆さん有り難うございました・・・。ちなみに、その間で私の体重10`減でした。

ただ一つ、聖地は一大支流、とある地点から上流については、昨年からひき続く魚類調査と称す産卵前の個体を投網で捕獲し体長の計測、タグを付ける?などの作業が行われていたので、そのダメージから前半一日だけ、それより上流の観察を今回一度だけ空けることにした。

この一大支流には近年、多くの人が密集するようになっている。ここには繁殖を高確率に完結できる根本的、必要不可欠な多くの支流、細流が豊富に分岐する基本条件が整っており、その大半の流れに沿っては道が走っていて進入しやすい。だから皆さんは(誰かに聞いて)そこに行く。

聖地と言う周辺から2支庁を含める生息地は意外と面積が広いが、どこでも無法地帯、必要のない多額の税金が投棄される公共事業による道路が近年、網目状に建設され、今、現在も行われています。残念ながら何一つ、明るい報告ができない。

ただ、これだけは言える。釣り人だけ悪いわけじゃない。→人この左横→に付け加えられる人達が問題なんです・・・つまり私たち人間

B支庁のとある支流に回帰してきた雄イトウ。ここは残念ながら壊れている。行脚の初日と最終日を合わせ3往復したが、最初の増水で入った個体群、雄4匹、雌1匹、ただ一つの堀さえも、一組のペアも組むことなく絶望の1年を刻むことになった。

回帰録2007−2

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