世界自然遺産(知床半島)P3

イトウと岩魚2足のわらじ

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御留守のところ無断でおじゃましまして申し訳ありませんでした~〜^本当にお世話になりました・・・一宿の恩義はせめて自分が散らかした痕跡を残さず去ることくらいでした。

ここは正真正銘、秘境自然遺産の地。まさか陸路も無く電気も通っていない、もちろん携帯電話も繋がらない最果ての半島に、それまた目立たない崖の陰に佇んでいる番屋・・ドアを開けるとスリッパが幾つか並んで、誰だろう?土足で歩いた砂?の痕が台所へ向かってくっきりと印され、薄暗い居間を見渡せば真ん中に灯油?ストーブ、TVに無線機?私には使い方が分からない?・・・冷蔵庫、食器棚もあるようで中には皿にグラス、壁には以前、見たままのここを訪れた冒険者たちの気持ちが隙間なく文字で綴られて、天井の吊り縄にはエモン掛けに乾されるタオルが見える。おまけに離れの部屋にはお風呂まであるようだ。それにしても、つい先ほどまで誰かが居たような雰囲気で整理整頓されている。もしかして、もうすぐ漁師さんたちが帰ってくるんだろうか。

社会で暮らしていると、そう簡単には’一人’にはなれない。昨年と同様、上陸地点が変わっても早々クマに手厚い歓迎?を受けた後は明日にそなえて台所の水だけは使わせてもらった、朝飯の支度は米をとぎ、それからは持ってきたビールをひたすら飲み続けた。つまみも沢山持ってきた、それからもうどれだけ飲んだか酔いつぶれて寝袋に入ったときはPM8時ごろだったか・・・そして、大きな物音、バタンッ!バタバタッ・・とっさに目が覚めたと同時に海鳥が騒がしく鳴く声が耳に入ってきたのがPM11時ごろ、この段階では疲労していて意識が朦朧していたのもあって再び眠りにつく。そして、また同じ大きな音、何かが壁を叩く?ぶつかったかのような?AM2:00過ぎごろまた眼が覚め、外ではまたカモメがうるさく騒いでいる。そうかクマ?調査員の言葉が脳裏に浮かんだ・・・・・このとき酔いがさめ再び飲みなおしたんですが、本当は酒に強くない肝臓なのに、こうも習慣ついたのは”同じ釜の飯を食う仲”=仕事も一緒、三食の飯、遊ぶ、風呂に入ること寝る部屋をともにする生活”でしょうかを若いときで鍛えられた?ことだろう?。あの時の先輩とは今でも連絡を取り合っているが、今年の建設新聞に自己破産との申請を目にすると、あの会社はもう無い・・・

さて、もし人に向かってくるクマだったら、いつでも壁なり窓をぶち破って入ってこれるだけの造りだから、その痕跡もないことは安心できるものだった。昨日、ルシャで見たのは170kgぐらいで、ここに来るやつも同じ背格好、毛色は道南で見られる真っ黒とは違い黒とブラウンが雑じり毛並みが良く体格も大きい。

木造ってのは時間が経っていればいるほど肌になじみ気持ちが落ち着くものですね、それに孤独感がないのは豊な植生の隙間を縫ってそよぐ風音と香り、野生動物の息使いが近くで感じられ雑念と雑音がない、だから気持ちがいい。海岸沿いに道路がなく谷間に砂防ダムがない、車のタイヤがアスファルトを擦る音も届かない完璧な空間はここ知床だけに限られるのは遺産に指定されるだけのこと確か・。小型携帯ラジオを聞きながら翌朝を迎えたのが6時、これは習慣になっている目覚めの時刻はここに来ても変わらず、朝飯の支度をするのにカヤックの収納ボックスに入れてある食糧を取りに行こうとドアを開けるとまた”クマ”だ!普段、そう簡単に見たくてもみれない野生の番頭が至近距離、番屋のドアから10mと近いところに居る。何度かカメラに目を向けフォトしようか?なんて迷っているうちに、やつと一度目が合うとのそのそゆっくり、鼻を地面につけながら同じ経路で姿をくらます。そして、それから30分ほど過ぎた時点でまた姿を現し海鳥の岩周辺を物色しだす。今になって思えば、たぶんそのクマは番屋裏の(ものすごい狭い)崖との隙間に居付いていたんじゃないか?と思う。一枚の壁を境に一夜を’友’にしたのか?さすが知床だ・・・

このポジションから望む景色には胸がグッと!する。左の岩が海鳥の砦、雲が低い!右に窺える半島を覆う先の尾根一本、二本目がレタラワタラ。重ねて述べるのは自然遺産に指定されるように、ここには陸路が無いこと、文明の構造物によって犯されていないこと。CO2削減、エコがどうのと騒がれた今年7月では洞爺湖サミットが開催されたが、1にも2にも数値目標の達成がなんだのかんだの?無恥で無関心層を相手にメディアが画面を通じ机上での数字に意識が注がれるが、原点でもあり「基本」でもある自然が今も生きている空間に入ると、理屈では踏みにじれない<真理>がそこにある・・・

この構造物を見て吐いてしまうのは「精神異常」これを見てそう思わない貴方は日本という国を出て名医に治療を受けたほうがいい、だって、元々無かった物を国がらみで人工的に造るなんて正気じゃない。それも魚が遡上降下できないから海と山との間が遮断され、磯焼けの明確な原因とは指摘されていないが、この砂防ダムが無い川、沢を探す方が難しいほど、ほぼ道内全域、数えきれないほど無数に建造されているのは、釣り人、山屋を除けば殆ど人には知られていないだろう。1基うん千万から’うん億円というもので’うやむや’にもされているようだが、これも皆さんの血税ですよ!これで飯を食っていこうなんて思うなかれ”見聞は必要ですし「教育問題の核心」もこれだと私は思わずにはいられない・・・・

知床横断道路の途中にある羅臼川に建造される魚道「不治の病」に侵されてるんだろうか?世界「自然」遺産に指定されてるんだから、この”シゼン”とはなんたるものか、人が手を加え自然の循環に少しでも障害になる建造物が一つでもあること、景観に配慮がされていない構造物、セメントで形造られた魚道は、機能がどうであれ、これを設計した者は精神に欠陥があること!恥ずかしいと思わないか?ここは世界自然遺産に指定された「知床」ですよ!・・・あなたは病気だ・・・

知床に来ると1にも2にもオショロコマ、山女魚や岩魚を探すのが難しいほどこの種で占められている。また来年、知床はどんな表情を見せてくれるだろうか・・・