イトウ2015年

イトウと岩魚2足のわらじ

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イトウ2015。メスが放卵を始めて産み終わるまで2秒前後、せっかくのシャッターチャンスに関わらず隣のオスは不能だった。それから2秒ほど経過したあたりで、下流でチャンスを狙っていた別の雄が割り込み後出しで放精する。こういった光景を観察できるのは継続してきた甲斐があったと思う瞬間だが、高齢化社会は人間だけの問題ではなく、ここのイトウたちの間でも子孫繁栄に影響が出ているのか?・・例年だと産卵域ではイトウの雄雌がどれだけ来ているかは目視で確認することができ、♀一匹に対し♂が何匹がという比率が見て判断できます。イトウの産卵観察を始めて今年で22年目を迎え、ここ9年連続重点的に通うある一つの区間では初めてオスよりもメスが多く参加し♂一匹に対し♀が二匹という組み合わせで一カ所に堀を起す場面が3箇所で行われました。ここへ来る2週間前のこと、現地周辺を見に行った友人がもう行ってますよね?と連絡を頂いて残雪はもう消え増水もしているしだいぶ濁ってますよ!?と知らせてくれたんですが、イトウの産卵は河川の河口がどの海域にあるか?支流単位で産卵が始まるタイミングはそれぞれ異なり正確なリズムで開始されています。なので今のところ私が通っているフィールドでは今年も例年通り始まりましたが終焉は9日早く終わっています。開始されるタイミングはかなり正確ですが終わるタイミングが早くても単に雪代や水量の変動だけの条件で行われていない、年単位を通した体力の蓄積によるものだと改めて確認できたものです・・・

またちょっと話が混同しますが昨年から話題になっているそう、トマピケティ、年収×600%=資産(財産)というデータ。ん〜・・・国民の五割が貧困で二割が裕福な層とう格差社会を数値化して紐解いたデータ?に世間が注目したようですが?私にとってはそれがどうした事かと、基本的にデータというものは現在より過去を振り返るまでの軌跡でこれより先の未来が必ずしも同じ情報と成り得ることなどありません。散々これまで99%の貧困だと騒ぎ立ててきたアメリカ、そして日本も二極化する企業、中間層が減少している格差社会で高齢化する逆ピラミッド型社会へと・・・と言い警鐘しどれだけの年月が経っていることでしょう。

北海道が過疎し衰退する加速度はたったそれだけの年月かもしれませんが根本的に解決したくない問題=既得権があるからこそだと改めて思い知らされるだけです。データを基にギャンブルをしいつも大勝している人など聞いたことが無いですよね?株式にしても日本では相場操縦されている事に疑念を向ければ五頭のクジラはGPIF、ゆうちょ、かんぽ、共済年金、日銀によって庶民の貯蓄が株式に投入されている=ギャンブルに使われているのは皆さん御存じだと思いますが?知ってますよね?もし、その”操縦”が失敗し庶民=国民の財産が賭けで負けすってしまえばどうなるんでしょうね?危機感をもっている方ならデータ'r>g'を関心するより政府がやっていることに関心を持つのがまともで正常な心理状態だと思います。

話を本題に、今年は新たにドライスーツ生地厚さ4mmを作って頂き流石に暖かいなと川に全身を浸け感心するも?単にそれだけのことじゃなさそうだった。水温を測ると2ケタ、小沢の表面から流れ出る雪代水は気温に関係なく温かく本線は一桁なのがいつもの”データ”で過去を振り返るが今年は例外でした。地元からの連絡で残雪が少ないと聞かされ早くおいで来なさいな!?と半ば水に期待した私ですが結局3日早く現地に行きベースを構えましたが産卵が始まる期日は過去のデータと同じで期待した水の透明度は残念ながら在って欲しい場所に残雪が無く、消えてほしい所に何故かたっぷりと残っていたのには落胆させられました。実質6日間で水の中にカメラを浸けたのは13時間、後は飲んだくれてました・・・まあでも、人間として自分しかいない領域、羆はちょうど交尾期でもあって行動範囲、雌を探し回る痕跡は足跡を見れば今年はどれだけ激しかったか神経を使いました。因みに余り知られていないのは、羆は音≠ノはそれほど神経は使っておらず"匂い"鼻から多くの情報を得て行動しているようです・・・で、例年通りベースを張る地点には2週間滞在し携帯電話も圏外で通じず人々が発する自動車の音など雑音はまったく届かない領域。なんせ気温が日中で18度、夜中でも11度もある日が産卵が始まって最終日まで続くほど外気は暖かった。月夜で照らされる原野の森、真夜中でエゾアカガエルが産卵で鳴き響かせる合唱を聞きながらビールを飲むこんな贅沢で幸せなことはありませんね、クマゲラもピューピューと叫びながら上空を飛びエゾライチョウがピッピ−ッピピ−と♂が縄張りを主張し雌を誘い鳴く、なかなかこんな暖かい時に観察できるなんて10年単位でもそうないでしょう。それだけでも満足しなければいけない2015年の春でした。

水中写真を写すに最適だったのは2008と09年でした。総合的に中途半端な透明度では絵を映し出すには難しいです。今年も早く現地を離れ札幌へ戻りましたが、何かこう燃焼しきれなかった不満と昨年は一度も山菜を採らず岩魚も数年間釣っていないし渓谷でビバークもしていない欲求が反動となって気持ちを掻き立て、札幌へ戻ってからというものまずは山菜採りから各方面の山々を歩き回ってました。それでまたも改めて実感したのは北海道の熊”笹”ですね。太平洋側の山は傾斜がきつくても歩くのがとても楽で、一方の日本海側は北上すればするほど総丈も2m越え高く太い。そして密集しているので全く人を寄せ付けない場所が広がっているだけあって人間の被害が少ないです。ではまた・・・