2013年・先端領域2P

イトウと岩魚2足のわらじ

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北海道のイトウと岩魚
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28-200mm。二本滝で二日目の朝を迎えてテントから外の景色を見ようと頭を出すと真横の海岸には十数名ほどの釣り客が一列に並びカラフトマスを狙っていた。前段階の予定では夫婦滝の海岸でだらだらのんびりと釣りを楽しみ飲んだくれ、そのまま折り返し完結でもいいかとお互い考えていた。ここへ来てプライベートビーチ?でキャンプするのは必須項目であるこれから先の数日を思うと、とてもじゃないがここで残り日数を過ごす訳にはいかない。結局、早々店じまいし岬先端を目指す。

上記の画像はレタラワタラの海岸、定置網を張る地点。ここで何事もなくキャンプできれば一番なのだが、正直、私は気が進まなかった。それは世界自然遺産(知床半島)P2≠フような年もある事から、大抵は相手=羆が人間に気が付けば避けてくれる?という定説は確実なものではないからだ。たった一度の想い出だけなら勢いで自己責任と自分に言い聞かせ運に任せるのも吝かではない。しかし、我ら、特に私は毎年ここを訪れたいのだから事故は避けたい。なんといっても単独はより一層慎重になるとして、2人以上の場合はお互いの意見を尊重し合えるから2人とも臆病では一歩先へは進めない。今回は前回と同様に共存+ヘッジできたのは知床シーカヤックの旅としてはスキルを積む結果として知的な収穫が得られ成功できました・・・

まず、ここでテントを設営した当日の晩に親小熊3頭が日没後に姿を現し、翌朝の午前中に画像に写る1頭が現れA氏が声を出すと直に気が付き立ち止まる。一応、ポケットラジオを二つを最大音量で昼夜鳴らしているが日中の場合、気温も過去の気象庁データを見る限りウトロで最高が29.3℃と知るが、体感としては明らかに30℃を超えている感じで熊の反応も意識朦朧し惰性で歩いているよに見えた。焚火の煙もラジオの音さえも聞き取れないほど集中力はなかったようだ。日中は冴えず得意ではない・・・A氏が声を出すと立ち止まりしばらくこちらを窺い呆然と見つめ時間にすればどれくらいだろう?海浜を陣取る我らのスペースは狭く、悩んでなやみ仕方なくイタドリが群生する斜面をゆっくりと歩き出し途中4度ほど立ち止まり葉の隙間から顔を覗かせ、こちらの状況を窺いながら過ぎ去った。目視から声を出し相手に伝えてから10分くらいだっただろうか?我ら人間でさえ暑くてタープの下でうずくまりミートソーススパゲティを食べていたところだったので、人間世界では通常、動物園以外で間近で熊と向き合うことはない。分らないですよね、知床の原生域で自然界には無い美味しい未知な何か?なんだか経験したことのない刺激的なスパイスな香りが鼻に付き、衝動的≠ノ誘われ我を失ってしまう?・・・野生動物と人間との間にはそれだけ知的な差があるのです・・・猛獣にするのか、それとも優しい動物であったかと後に解するかは私達、人間側の秩序次第だと思わずにいられません・・・

先端領域の尾根は最高695mほどの山。この海浜から傾斜を付ける箇所としては50mの断崖を時間をかけ人間との距離を避け斜面の方へゆっくりと時間をかけ通り過ぎていく。ちょうどテントを張る真横の斜面・・・この経過、過程の経緯はいつもと同じで安心したが、そういつまでも保証されるものではない。

臆病な私でさえ正直、羆との接点に馴れてきているのに危機感を憶える。野生動物は初心です。人が優しい野生動物だと認識するのは人の蜜の味を知らない羆のこと。もし、文明の蜜を知ってしまうと彼、彼女らは豹変する。これは絶対に私達、人間が尊厳しなければならない。ただ私なり思うのは、人口が密集する市街地に近寄ってくるクマほど自然豊かな先端領域では暮らしていけない問題を抱えているとすれば市街地から離れるほど逆に安全なような気がする・・・

ここで2泊しました。ここは私、我らにとって青春の一コマではないので、これから先幾度となく来る場所です。いつまでも残って在って欲しいと願う

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